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1990年(平成2年)ドラフト会議 〜ドラフト概要〜


ヤクルト 広島 大洋 阪神 中日 読売 ドラフト概要
近鉄 ロッテ オリックス 西武 日本ハム ダイエー 選択方法



この年一番の関心事は、ダイエー入団を拒否し、1年間ハワイで野球浪人していた元木大介が、希望の巨人に指名されるか。大学生では即戦力候補No.1の小池秀郎(亜細亜大)、高校生では、甲子園でホームランを連発した内之倉隆志(鹿児島実)に注目が集まった。


●元木大介(上宮高〜ダイエー拒否〜ハワイ野球浪人中)は念願の巨人へ
高校時代は三回甲子園へ出場。甘いマスクが女性にうけ、芸能人顔負けの人気を誇った。前年のドラフト会議でダイエーに1位指名されるが、希望の巨人ではなかったため入団を拒否。元木の一方的な片思いだったのだが、それでも諦めきれずに、次回のドラフトまで年数のかかる大学や社会人には進まず、ハワイで野球浪人生活をおくり、この年のドラフトで巨人の指名を待った。

ハワイでは本格的な練習はしておらず、「1年間のブランク」が心配されたが、入団2年目にはやくも1軍で34試合出場した。


●ドラフトの目玉・小池秀郎(亜細亜大)はロッテ拒否
信州工高〜亜細亜大。高校時代は甲子園出場なし。大学で力をつけ、東都リーグ記録となる1シーズン111奪三振を記録し、「東都の奪三振王」とよばれた。日米大学選手権でも好投しMVPを獲得。

小池はドラフト前から「西武、ヤクルト、巨人以外だったらプロ拒否」と強く主張していた。そして注目のドラフト会議、西武、近鉄、日本ハム、ロッテ、広島、中日、ヤクルト、阪神と、ドラフト史上最多タイとなる8球団が小池を指名し、抽選の結果、希望外のロッテが交渉権を獲得。小池はロッテを拒否し、松下電器に入社。


●甲子園のヒーロー・内之倉隆志(鹿児島実高)は希望通りダイエーへ
鹿児島実業高の4番サードとして春夏甲子園へ出場。甲子園ではホームランを連発し、「元木以上」と騒がれた。ドラフト会議では、近鉄、広島、ダイエーの3球団が競合し、抽選の結果本人の希望通りダイエーへ。

プロでの通算成績は、110試合出場し、40安打、2本塁打、打率.226。残念ながら大成しなかった。


●前年契約無効の小島弘務(元住友金属)を中日が獲得
平安高〜駒大中退〜住友金属。前年、西武がドラフト外で獲得し、一度は契約までしたものの、「高校出の社会人選手は3年間プロ入りできない」という野球協約に触れて契約は無効となった。1年間孤独な練習に耐え、晴れて念願のプロ野球選手に。

プロでは1年目に6勝するも尻すぼみで、プロ通算成績は、167試合登板し、19勝15敗8セーブ 防御率3.60


●小池の二番手・高津臣吾(亜細亜大)はヤクルト3位
広島工高〜亜細亜大。高校3年の時に春夏甲子園出場。夏の甲子園では他にエース投手がいたため登板機会に恵まれず、1試合だけ代打で出場した。亜細亜大でも小池の二番手投手で陽の目をみることはなかったが、プロで大成長し、セーブ王3回、最優秀救援投手3回のタイトルを獲得。


●その他、指名された主な選手は
1997、1998年と二年連続首位打者を獲得した鈴木尚典(横浜4位)、燃える男・関川浩一(阪神2位)、阪神では左のエース格として活躍・湯舟敏郎(阪神1位)、小柄なガッツマンの奈良原浩(西武2位)、大リーグで活躍中の長谷川滋利(オリックス1位)、いてまえ打線の繋ぎ役・水口栄二(近鉄3位)、アデランスでお馴染みの佐野重樹(近鉄4位)、1996年に盗塁王を獲得した村松有人(ダイエー6位)らが指名された。





1990年(平成2年)ドラフト会議の結果

巨人
1位 元木 大介 上宮高出身 内野手
2位 吉原 孝介 川崎製鉄水島 捕手
3位 藤崎 靖彦 新日鉄八幡 外野手
4位 阿部 茂樹 秋田高 捕手
5位 原 正俊 日大二高 投手
6位 内田 大孝 佐賀学園高 内野手
プロ入り後の成績
 
広島
1位 瀬戸 輝信 法政大 捕手
2位 小野 幸一 鹿児島商高 投手
3位 高橋 英樹 喜界高 投手
4位 山崎 健 関東一高 投手
5位 小林 敦司 拓大紅陵高 投手
6位 松本 隆 五大化学 捕手
プロ入り後の成績
 
大洋
1位 水尾 嘉孝 福井工大 投手
2位 宮川 一彦 東北福祉大 内野手
3位 加藤 将斗 東北高 投手
4位 鈴木 尚典 横浜高 外野手
5位 米 正秀 西京高 投手
6位 渡部 高史 札幌琴似工高 投手
プロ入り後の成績
 
中日
1位 小島 弘務 元住友金属 投手
2位 矢野 輝弘 東北福祉大 捕手
3位 山本 保司 関東一高 内野手
4位 吉田 太 東北福祉大 投手
5位 森田 幸一 住友金属 投手
6位 寺西 秀人 NTT北陸 投手
プロ入り後の成績
 
ヤクルト
1位 岡林 洋一 専修大 投手
2位 小坂 勝仁 東北福祉大 投手
3位 高津 臣吾 亜細亜大 投手
4位 新井 潔 本田技研 内野手
5位 原 英史 堀越高 外野手
6位 伊林 厚志 旭川龍谷高 投手
プロ入り後の成績
 
阪神
1位 湯舟 敏郎 本田技研鈴鹿 投手
2位 関川 浩一 駒沢大 捕手
3位 山崎 一玄 静岡高 投手
4位 田村 勤 本田技研和光 投手
5位 嶋田 哲也 王子製紙米子 投手
6位 伴 義太郎 筑陽学園高 投手
プロ入り後の成績

西武
1位 長見 賢司 伊丹西高 投手
2位 奈良原 浩 青山学院大 内野手
3位 犬伏 稔昌 近大付高 内野手
4位 親富祖 弘也 宣野湾高 捕手
5位 内山 智之 大阪経法大 投手
プロ入り後の成績
    
 
オリックス
1位 長谷川 滋利 立命館大 投手
2位 戎 信行 育英高 投手
3位 野村 貴仁 三菱重工三原 投手
4位 岩崎 久則 新日鉄大分 投手
5位 山本 栄二 富山商高 捕手
プロ入り後の成績
   
 
近鉄
1位 寺前 正雄 北陽高 投手
2位 水口 栄二 早稲田大 内野手
3位 佐野 重樹 近大工学部 投手
4位 柴田 佳主也 阿部企業 投手
5位 伊藤 栄祐 愛工大名電高 投手
6位 宮下 典明 新田高 内野手
プロ入り後の成績
 
日本ハム
1位 住吉 善則 プリンスホテル 内野手
2位 石本 努 別府大付高 内野手
3位 小島 善博 NTT九州 投手
4位 南 竜次 天理高 投手
5位 小牧 雄一 三菱自動車水島 捕手
6位 真栄喜 正和 川崎製鉄水島 外野手
プロ入り後の成績
 
ロッテ
1位 小池 秀郎 亜細亜大 投手
2位 定詰 雅彦 新日鉄広畑 捕手
3位 五十嵐 章人 日本石油 外野手
4位 吉井 英昭 苫小牧工高 投手
5位 池田 宇隆 柳川高 捕手
6位 榎 康弘 東海大甲府高 投手
プロ入り後の成績
 
ダイエー
1位 木村 恵二 日本生命 投手
2位 内之倉 隆志 鹿児島実高 内野手
3位 江口 孝義 NTT九州 投手
4位 下柳 剛 新日鉄君津 投手
5位 足利 豊 新日鉄名古屋 投手
6位 村松 有人 星稜高 外野手
プロ入り後の成績





1990年(平成2年)ってどんな年?
日本レコード大賞 B.B.クイーンズ「おどるポンポコリン」
堀内孝雄「恋唄綴り」
最優秀新人賞 たま「さよなら人類」 晴山さおり「一円玉の旅がらす」
ヤン・スギョン「愛されてセレナーデ」 忍者「お祭り忍者」
世相や流行 カラオケボックスブーム ダイヤルQ2流行
流行言葉 おやじギャル 成田離婚 アッシーくん メッシーくん
社会の出来事 イラク軍がクウェートに侵攻 礼宮さまと紀子さまのご結婚
プロ野球の優勝チーム セ:巨人88勝42敗 パ:西武81勝45敗4引
プロ野球の最優秀選手 セ:斉藤雅樹(巨人) パ:野茂英雄(近鉄)
春の甲子園優勝校 近大付(バッテリー:後藤−薮内)
夏の甲子園優勝校 天理(バッテリー:南−柴田)