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1989年(平成元年)ドラフト会議 〜ドラフト概要〜


ヤクルト 広島 大洋 阪神 中日 読売 ドラフト概要
近鉄 ロッテ オリックス 西武 日本ハム ダイエー 選択方法



この年のドラフトの目玉は、「10年に一人」といわれる剛腕投手・野茂英雄(新日鉄堺)。高校生では甲子園のアイドル・元木大介(上宮高)が希望の巨人に指名されるか注目が集まった。


●ソウル五輪のエース・野茂英雄(新日鉄堺)に史上最多の8球団
成城工高〜新日鉄堺。高校時代は大阪大会の五回戦が最高で甲子園出場なし。社会人入りしてからメキメキ力をつけ、1988年ソウル五輪代表メンバーに選ばれ、銀メダル獲得に貢献。ドラフト会議ではロッテ、大洋、日本ハム、阪神、ダイエー、ヤクルト、オリックスの8球団(ドラフト史上最多)が競合し、抽選により近鉄が交渉権を獲得。

近鉄入団1年目に18勝をマークし、最多勝、防御率、勝率、奪三振、沢村賞、MVP、新人王、ベストナインのタイトルを獲得。1993年まで4年連続最多勝を獲得する驚異的な活躍をした。1995年にメジャーへ移籍。


●甲子園のアイドル・元木大介(上宮高)はダイエー拒否
上宮高の4番・遊撃手として三回甲子園へ出場。高3年夏の甲子園・丸子実高戦で1試合2本のホームランを打ち、「清原二世」と注目を集めた。また甘いマスクが女性にうけ、芸能人顔負けの人気を誇った。

ドラフト会議では巨人を熱望していたが、巨人が1位入札した選手は東京六大学のスラッガー・大森剛(慶応大)で、元木はダイエーに外れ1位で指名されるもこれを拒否。1990年はハワイで1年間の野球浪人生活を送ることになる。

上宮高で元木大介と三遊間を組んだ種田仁は専修大学への推薦入学が内定しプロ拒否を表明していたが、中日が6位で強行指名した。プロでは入団2年目にレギュラーの座を獲得し、現在も独特の「がにまた打法」で活躍中。


●ハマの大魔神こと・佐々木主浩(東北福祉大)は大洋へ
東北高〜東北福祉大。甲子園は春夏合わせて三回出場。高校3年春のセンバツ大会は、腱鞘炎により大会直前までギプスをしていながらもベスト8進出。続く夏の甲子園では、大会前に血豆が化膿、痛みをとめるためにうった痛み止めの注射が副作用を起こし、神戸市内の病院に緊急入院していたが、気合いと根性でチームをベスト8に導いた。

大学では腰痛の影響で3年間は思うように活躍できず。寮から蒸発したこともあったとか。4年になり開花し、日米大学野球の代表にも選ばれた。

ドラフト会議では野茂の抽選に外れた大洋に1位指名されるが、プロ入りを渋り入団までに時間を費やした。プロ入り後の活躍は周知の通りで、「ハマの大魔神」の異名を取り、横浜の抑えの切り札として活躍。2000年にメジャーへ移籍。


●ソウル五輪の司令塔・古田敦也(トヨタ自動車)はヤクルトへ
川西明峰高〜立命館大〜トヨタ自動車。
高校時代は甲子園出場なし。一般受験で立命館大学へ進学した頭脳の持ち主。大学でメキメキ力をつけ、卒業時にはドラフト候補として名が挙がるが指名漏れ。

社会人ではソウル五輪代表メンバーに選ばれ、野茂、潮崎らを好リードし銀メダル獲得に貢献。プロでの活躍は周知の通りで、日本プロ野球界1捕手として活躍中。


●その他、指名された主な選手は
入団1年目に157キロの日本最速記録をマークした与田剛(中日1位)、1991年に最多勝と防御率1位に輝いた佐々岡真司(広島1位)、魔球シンカーを操る潮崎哲也(西武1位)、精密機械のような制球力・小宮山悟(ロッテ1位)、大リーグへ移籍した新庄剛志(阪神5位)、天才打者・前田智徳(広島4位)、「拝啓、石井です」の石井浩郎(近鉄3位)、「まいどー」でお馴染みのガンちゃんこと岩本勉(日本ハム2位)ら、この年は一流選手が目白押し。





1989年(平成元年)ドラフト会議の結果

巨人
1位 大森 剛 慶応大 内野手
2位 川辺 忠義 川崎製鉄千葉 投手
3位 吉岡 雄二 帝京高 内野手
4位 佐久間 浩一 東海大 外野手
5位 鈴木 望 駒沢大 内野手
6位 浅野 智治 岡山南高 投手
プロ入り後の成績
 
広島
1位 佐々岡 真司 NTT中国 投手
2位 仁平 馨 宇都宮工高 外野手
3位 前間 卓 鳥栖高 投手
4位 前田 智徳 熊本工高 外野手
5位 山口 晋 島田商高 投手
6位 浅井 樹 富山商高 外野手
プロ入り後の成績
 
中日
1位 与田 剛 NTT東京 投手
2位 井上 一樹 鹿児島商高 投手
3位 松永 幸男 三菱重工長崎 投手
4位 松井 達徳 日産自動車 外野手
5位 山田 喜久夫 東邦高 投手
6位 種田 仁 上宮高 内野手
プロ入り後の成績
 
ヤクルト
1位 西村 龍次 ヤマハ 投手
2位 古田 敦也 トヨタ自動車 捕手
3位 黒須 陽一郎 立教大 外野手
4位 押尾 健一 成東高 投手
5位 松元 繁 朝霞高 投手
6位 広沢 好輝 明野高 内野手
プロ入り後の成績
 
阪神
1位 葛西 稔 法政大 投手
2位 岡本 圭治 近畿大 内野手
3位 麦倉 洋一 佐野日大高 投手
4位 古里 泰隆 福岡第一高 投手
5位 新庄 剛志 西日本短大付高 内野手
6位 吉田 浩 高岡第一高 外野手
プロ入り後の成績
 
大洋
1位 佐々木 主浩 東北福祉大 投手
2位 東瀬 耕太郎 明治大 投手
3位 平塚 克洋 朝日生命 外野手
4位 今久留主成幸 明治大 捕手
5位 川端 一彰 中央大 内野手
6位 知野 公昭 拓大紅陵 投手
プロ入り後の成績

近鉄
1位 野茂 英雄 新日鉄堺 投手
2位 畑山 俊二 住友金属 外野手
3位 石井 浩郎 プリンスホテル 内野手
4位 藤立 次郎 天理高 外野手
5位 平江 巌 成章高 外野手
6位 入来 智 三菱自動車水島 投手
プロ入り後の成績
 
オリックス
1位 佐藤 和弘 熊谷組 外野手
2位 吉田 直喜 青山学院大 投手
3位 高橋 功一 能代高 投手
4位 藤本 俊彦 徳島商高 捕手
5位 松山 秀明 青山学院大 内野手
6位 佐々木 明義 三沢商高 内野手
プロ入り後の成績
 
西武
1位 潮崎 哲也 松下電器 投手
2位 鈴木 哲 熊谷組 投手
3位 大塚 孝二 東北福祉大 外野手
4位 宮地 克彦 尽誠学園高 投手
5位 佐伯 秀喜 国学院久我山高 内野手
6位 北原 泰二 川口工高 投手
プロ入り後の成績
 
ダイエー
1位 元木 大介 上宮高 内野手
2位 金沢 健一 日本石油 投手
3位 橋本 武広 プリンスホテル 投手
4位 西 俊児 本田技研 内野手
5位 馬場 敏史 新日鉄堺 内野手
6位 田代 広之 佐賀龍谷高 内野手
プロ入り後の成績
 
日本ハム
1位 酒井 光次郎 近畿大 投手
2位 岩本 勉 阪南大高 投手
3位 中山 大輔 明徳義塾高 投手
4位 舟山 恭史 明治大 投手
5位 宮川 晃 大館商高 投手
6位 有倉 雅史 日本体育大 投手
プロ入り後の成績
 
ロッテ
1位 小宮山 悟 早稲田大 投手
2位 小林 昭則 筑波大 投手
3位 鈴木 俊雄 日立製作所 捕手
4位 南渕 時高 東芝 内野手
5位 鹿野 浩司 帝京高 内野手
6位 林 博康 鹿児島実高 外野手
プロ入り後の成績





1989年(平成元年)ってどんな年?
日本レコード大賞 Wink「淋しい熱帯魚」
最優秀新人賞 マルシア「ふりむけばヨコハマ」
世相や流行 消費税スタート テトリス大流行
流行言葉 ぶっち はまる ツーショット 24時間戦えますか
社会の出来事 昭和天皇死去 天安門事件 ベルリンの壁崩壊
プロ野球の優勝チーム セ:巨人84勝44敗2引 パ:近鉄71勝54敗5引
プロ野球の最優秀選手 セ:クロマティ(巨人) パ:ブライアント(近鉄)
春の甲子園優勝校 東邦(バッテリー:山田−原浩)
夏の甲子園優勝校 帝京(バッテリー:吉岡−井村)